18世紀のフランスの版画家ジャック・リゴーによる「ノートルダム寺院からトゥルネル橋までのパリの眺め」という銅版画です。写真にあるように、マット下部に丸いエンボスの刻印がありますが、これはルーヴル美術館の版画室(カルコグラフィー)がジャック・リゴーが作成した18世紀の原版を使って、当時の手法と同じプレス機を用いて一枚ずつ手作業で刷り、手作業で着色して作成したことを証明しています。
画面下部左端にはJ.Rigaud In. Sculp.とあり、これはジャック・リゴーが描き(In.=ラテン語Invent)、彫った(Sculp.=ラテン語でSculpsit)で、ジャック・リゴーが原画を描き、自ら版を彫ったことをしめしています。右端には21とあり、この絵がパリの風景を描いたシリーズの21番目であることをしめしています。中央の文章は「ノートルダム寺院からトゥルネル橋までのパリ眺め。遠くに市庁舎、サン・ジャン・アン・グレーヴ教会、サン・ジェルヴェ教会、せしてポン・ルージュが見える。ミラミオン河岸よりのぞむ。」とあるります。このうち、サン・ジャン・アン・グレーヴ教会は今はなく、ポン・ルージュは今はサン・ルイ橋になっています。また、ミラミオン河岸は今はトゥルネル河岸の名に変わっています。1730年代のパリの様子を描いた貴重な版画です。当時刷られた版画はルーヴル美術館のほかメトロポリタン美術館等の有名美術館に収納されているとのことです。
絵のサイズは約48X25cm、額は約74X54cmです。額縁もグレイにいぶし金色模様でシックです。30年ぐらい前に軽井沢の今はなきメルシャン美術館で購入したものだと思いますが、絵も額も経年による傷や汚れはほとんどありません。